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ドッグフードナチュラルとは?合成ビタミン入りでも表示できる理由と文字サイズ4分の1の条件

ドッグフードナチュラルとは?合成ビタミン入りでも表示できる理由と文字サイズ4分の1の条件のアイキャッチ画像

「ナチュラル」と書かれたドッグフードを見ると、体にやさしそう、添加物が少なそう、と感じる方は多いと思います。でも、その「ナチュラル」がどんな条件で書かれている言葉なのか、説明できる人はそれほど多くありません。なんとなくのイメージで選ぶと、期待していた中身と違っていた、ということも起こります。

結論からいうと、ドッグフードの「ナチュラル」は、ペットフード公正取引協議会の公正競争規約で使い方が決められた表示です。原則は化学的合成物と着色料を使っていないものにだけ使えますが、総合栄養食などでは、栄養バランスに欠かせないビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類に限って合成物を使っていても、条件つきで表示できます。つまり「ナチュラル」は表示のルールであって、栄養や安全性のランクを示す言葉ではないんです。

この記事では、規約の条文をもとにナチュラル表示の条件、無添加・グレインフリーとの違い、袋の裏で確かめたい表示の読み方、法律で決められた添加物の上限値までを、理屈から順番に解説します。特定の商品のおすすめではなく、どのフードを手に取っても自分で判断できる「読み方」を持ち帰ってもらうための記事です。

🐾 この記事でわかること

・「ナチュラル」を表示できる原則と、総合栄養食などに認められた例外の条件
・「無添加」「グレインフリー」「オーガニック」とナチュラルの違い
・義務表示5項目・原材料・保証成分など、袋の裏で確かめる場所
・合成の酸化防止剤の上限(合計150μg/g)など、法律と規約の関係

目次

ドッグフードの「ナチュラル」表示は誰がどう決めている?

ドッグフードの「ナチュラル」表示は誰がどう決めている?の解説画像

「ナチュラル」は規約で使い方が決められた特定用語

ドッグフードの「ナチュラル」は、メーカーが自由に使えるキャッチコピーではなく、ペットフード業界の公正競争規約で使い方が決められた言葉です。ペットフード公正取引協議会の特定事項の表示基準のページには、「ナチュラル」「ネーチャー」またはこれに類似する用語について、表示できる条件が書かれています。

なぜわざわざルールがあるかというと、「ナチュラル」という言葉は受け取る人によってイメージが大きく変わるからです。ある人は「添加物ゼロ」、別の人は「国産の肉だけ」、また別の人は「穀物なし」と受け取るかもしれません。こうした言葉を各社が好きな意味で使うと、飼い主は袋の表だけでは比べられなくなります。そこで、業界の中で「この条件を満たすものだけが名乗れる」と線を引いているわけです。

やりがちなのは、パッケージの雰囲気(緑色の袋、野菜のイラスト、素朴な書体)と「ナチュラル」の文字をセットで受け取り、中身まで想像で補ってしまうことです。デザインは規約の対象外なので、雰囲気と表示条件は別物として見るのがコツ。「ナチュラル」の文字を見つけたら、次の見出しで紹介する条件のどれに当てはまっているかを考えると、表示の意味がはっきりします。

原則は「化学的合成物と着色料を使っていない」こと

ナチュラル表示の原則はシンプルで、協議会のページには「化学的合成物及び着色料を使用していないものに限り、表示することができる」と書かれています。ポイントは、条件が「化学的合成物」と「着色料」の両方にかかっていることです。

化学的合成物とは、化学反応によって人工的につくられた物質のこと。フードでいえば、合成のビタミン剤や合成の酸化防止剤などがイメージしやすいと思います。着色料は、フードの見た目の色を整える目的で使われるものです。犬は色で食べ物を選んでいるわけではないので、着色料は主に人間向けの見た目の工夫といえます。原則どおりの「ナチュラル」は、この両方を使っていないフードということになります。

ここで勘違いしやすいのが、「ナチュラル=原材料が自然のまま」という受け取り方です。規約の原則が問題にしているのは合成物と着色料の有無であって、原材料の産地・育て方・加工の度合いまでは条件に入っていません。肉を粉末にしたものや、油脂を抽出したものを使っていても、それ自体はナチュラル表示の可否とは別の話です。原材料の中身を知りたいときは、原材料名の欄を読むことになります。

「ネーチャー」など似た言葉も同じルールの対象

規約の条文は「ナチュラル」だけでなく、「ネーチャー」または「これに類似する用語」も対象にしています。つまり、言い回しを少し変えれば条件を避けられる、という作りにはなっていません。

理由は単純で、もし「ナチュラル」だけを縛ると、よく似た印象を与える別の言葉に置き換えるだけでルールが骨抜きになってしまうからです。表示のルールは、文字そのものより「読んだ人がどう受け取るか」を基準に作られています。自然由来を連想させる言葉を使うなら、同じ条件を満たしてね、という考え方です。

具体的に、どこまでが「類似する用語」に当たるかの線引きは条文だけでは細かく読み取れません。ですから飼い主側の見方としては、「自然」を強く連想させる言葉が大きく書かれていたら、ナチュラル表示と同じ目線で中身を確かめる、というのが実用的です。袋の裏の原材料名に着色料が並んでいないか、合成物を使っている旨の併記がないかを見れば、表の言葉がどの程度の意味を持っているかがつかめます。

表示の条件であって、品質のランク付けではない

いちばん押さえておきたいのは、ナチュラル表示は「表示してよいかどうかの条件」であって、栄養の優劣や安全性の高さを格付けする基準ではない、という点です。

規約が決めているのは、合成物や着色料の使い方と、その伝え方です。一方で、犬に必要な栄養がそろっているかどうかは、総合栄養食かどうかという別の表示で判断します。ナチュラル表示のフードでも総合栄養食でないものはありえますし、ナチュラルと書いていない総合栄養食もたくさんあります。この2つは縦軸と横軸のように独立しているんです。

よくある失敗は、「ナチュラルなら上等なはず」と考えて、目的分類を確かめずに主食として与え続けてしまうこと。たとえば一般食(その他の目的食)のフードは、それだけでは一日に必要な栄養を満たせません。ナチュラルの文字を見たら、同じ面かその近くにある「総合栄養食」「一般食」などの目的分類もあわせて探す、という習慣をつけると安心です。

📖 用語チェック

ナチュラル表示=ペットフードの公正競争規約で、「ナチュラル」「ネーチャー」またはこれに類似する用語を使える条件を定めたもの。原則は化学的合成物と着色料を使っていないものに限られる。栄養や安全性の優劣を示す基準ではなく、主食に使えるかどうかは「総合栄養食」などの目的分類で確認する。

総合栄養食なのにナチュラル?合成ビタミン入りでも表示できる例外のしくみ

例外が認められるのは総合栄養食・療法食・一部の間食

原則だけを読むと、「合成のビタミンを入れたらナチュラルとは書けない」と思えます。ところが規約には例外があり、総合栄養食、療法食、そして総合栄養食基準を満たす旨を表示する間食については、条件を満たせばナチュラルと表示できるとされています。

なぜ例外が必要なのか。総合栄養食は、そのフードと水だけで指定された成長段階の健康を維持できるよう、栄養のバランスを整えたものです。天然の原材料だけで必要なビタミンやミネラルをすべて基準どおりにそろえるのは難しく、合成のビタミン類などで不足分を補うのが一般的です。もし例外がなければ、栄養をきちんと整えた総合栄養食ほどナチュラルと名乗れない、というねじれが起きてしまいます。

ここで注意したいのは、例外の対象が限られていることです。総合栄養食基準を満たす旨を表示していない、いわゆる普通のおやつ(間食)や一般食は、例外の対象に入っていません。こうしたフードでナチュラルと書くなら、原則どおり化学的合成物と着色料を使っていないことが条件になります。

使ってよい合成物はビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類だけ

例外で認められる合成物は何でもよいわけではなく、「栄養バランス上欠かせないビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類のみ」に限られています。条文の「のみ」という言葉が大事で、それ以外の目的で合成物を使っていれば、例外には当てはまりません。

理屈で考えると筋が通っています。ビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類は、犬が健康を保つために必要な栄養素そのものです。これらを補うための合成物は「栄養のため」という目的がはっきりしています。一方、見た目を整える着色料や、味やにおいを調整する目的の合成物は、栄養バランスのために欠かせないものとはいえません。だから例外の範囲から外されているわけです。

具体的に袋の裏を見ると、原材料名の後半にビタミン類(ビタミンA、D、Eなど)やミネラル類がずらっと並んでいることがあります。ナチュラル表示のある総合栄養食でこうした記載があっても、それだけで規約違反というわけではありません。むしろ栄養を補うために入れている、と読むのが自然です。気にしたいのは、それ以外の用途の添加物が並んでいないか、という点です。

併記の文字は「4分の1以上」、小さな袋でも6ポイント

例外を使ってナチュラルと表示する場合、合成物を使っている事実を隠してはいけません。条文では、ビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類のみに化学的合成物を使用している旨を、「ナチュラル」等に関する最も目立つ表示に、その表示の4分の1以上のフォントサイズで明瞭に併記することが求められています。

さらに文字の下限も決められていて、内容量500グラム以下の小型容器では6ポイント、500グラムを超えるものでは8ポイントを下回らないこととされています。大きな「ナチュラル」の文字の横に、読めないほど小さな注記を添えるだけ、という逃げ道をふさぐための数字です。

この条件を知っていると、パッケージの見え方が変わります。表面の大きな「ナチュラル」の近くに、「ビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類のみ化学合成品を使用」といった一文がないか探してみてください。見つかれば「例外ルールでナチュラルと表示しているフード」、見つからなければ「原則どおり合成物・着色料を使っていないフード」のどちらかだと推測できます。もちろん最終的には原材料名欄と照らし合わせて確かめるのが確実です。

合成の酸化防止剤を使っていないことも条件

例外にはもう1つ条件があり、油脂の酸化防止に、エトキシキン、BHA、BHT等の合成の酸化防止剤を使っていないことが求められています。つまり、ビタミン類などの合成物は使ってよくても、油の酸化を防ぐ目的で合成の酸化防止剤を使っていたら、ナチュラルとは表示できないということです。

ドッグフードには油脂が含まれていて、空気に触れると酸化が進み、においや風味が落ちていきます。そのため多くのフードでは何らかの酸化防止の工夫がされています。この条件によって、ナチュラル表示のフードは合成の酸化防止剤以外の方法(たとえば天然由来とされる成分など)で酸化を抑えている、と読めるわけです。

ただし、合成の酸化防止剤を使っていない=酸化しにくい、という意味ではありません。どの方法で酸化を防いでいるかによって、開封後の品質の保ち方は変わりえます。ナチュラル表示だから保存に気を使わなくてよい、と考えるのは逆で、袋に書かれた保管方法をいつも以上に守るくらいの気持ちでいるのがちょうどよい距離感です。

🐾 押さえておきたいポイント

実は、「合成ビタミン入りなのにナチュラル?」という疑問には、規約上の答えがあります。総合栄養食・療法食・総合栄養食基準を満たす旨を表示する間食に限り、①合成物はビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類のみ、②その旨を「ナチュラル」の文字の4分の1以上のサイズで併記、③合成の酸化防止剤(エトキシキン・BHA・BHT等)を使っていない、を満たせば表示できます。栄養を整えたフードほど合成ビタミンを使う、というのはむしろ自然な姿なんです。

「無添加」「グレインフリー」「オーガニック」とは何が違う?

「無添加」「グレインフリー」「オーガニック」とは何が違う?の解説画像

「無添加」は「何が無添加か」の併記が前提

ナチュラルと並んでよく見かけるのが「無添加」です。協議会のページでは、「無添加」「不使用」といった表示は、無添加である原材料名等が明確に併記されていることが前提とされています。つまり「○○無添加」のように、何を使っていないのかがセットで書かれている必要があるんです。

理由は、「無添加」という言葉だけでは、何が入っていないのか読み手に分からないからです。着色料が入っていないのか、保存料が入っていないのか、それとも特定の原材料を使っていないのか。受け取り方次第で意味が大きく変わる言葉なので、中身の特定を求めているわけです。

やりがちなのは、「無添加」の大きな文字を見て「添加物がいっさい入っていない」と受け取ってしまうこと。実際には「着色料無添加」なら着色料について言っているだけで、ほかの添加物は使っている可能性があります。ナチュラル表示が「合成物と着色料」という決まった範囲の話なのに対して、無添加表示は「併記された対象についての話」。ここが2つの言葉の違いです。

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添加物の「無添加」は加工助剤やキャリーオーバーまで含めて判断

無添加表示のルールには、対象が添加物かそれ以外の原材料かで基準が分かれています。添加物以外の原材料なら、ペットフードの全ての製造工程で当該原材料が使われていないことが確認できる場合。添加物なら、ペットフードの表示のための添加物便覧に記載された添加物を、加工助剤、キャリーオーバー、栄養強化目的で使用されるものを含めて一切使用していないことが確認できる場合とされています。

ここで出てくるキャリーオーバーとは、原材料の段階ですでに使われていた添加物が、最終製品にわずかに持ち越されることを指します。加工助剤は、製造の途中で使われて最終製品にはほとんど残らないものです。どちらも「フードを作るときに直接入れていない」と言いたくなるものですが、規約ではそれも含めて使っていないことを求めています。

つまり、正しく表示された「○○無添加」は、原材料の段階までさかのぼって確認された上での表示ということになります。飼い主としては、無添加と書かれていたら「何が」無添加なのかを読み、それ以外の添加物は原材料名欄で確認する、という二段構えで見るのが確実です。

グレインフリーはナチュラルの条件とは別の軸

「ナチュラルなフードは穀物を使っていない」と考える方もいますが、ナチュラル表示の条件に穀物の有無は含まれていません。規約が見ているのは化学的合成物と着色料、そして例外時の合成酸化防止剤の不使用です。穀物を使っていてもナチュラル表示の条件を満たすことはありえますし、グレインフリーでも着色料を使っていればナチュラルとは名乗れません。

グレインフリーは「穀物を使っていない」という原材料の構成の話で、ナチュラルは「合成物・着色料の使い方」の話。見ている場所がそもそも違うんです。どちらも自然志向のイメージで語られやすいため混同されますが、片方を満たしているからといって、もう片方も満たしているとは限りません。

穀物を避けたい理由が犬の体質にあるなら、その判断は表示の言葉ではなく原材料名で行うのが基本です。原材料名は重量の割合の多い順に並ぶので、穀類がどの位置にあるかを確認できます。体質が気になる場合は、フードを選ぶ前に獣医師に相談しておくと、見るべき原材料が絞れます。

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オーガニックは原材料の生産方法に関わる言葉

「オーガニック(有機)」もナチュラルとよく一緒に語られますが、これは原材料がどのような方法で生産されたかに関わる言葉です。今回確認したナチュラル表示の条件は、合成物・着色料・合成酸化防止剤の使い方についてのもので、原材料の栽培方法や飼育方法は条件に含まれていません。

つまり、ナチュラル表示のフードがオーガニック原材料を使っているとは限りませんし、オーガニック原材料を使ったフードがナチュラル表示の条件を満たしているとも限りません。言葉の響きが似ていても、見ている対象が違うんです。

パッケージに「オーガニック」とある場合は、それがフード全体のことなのか、一部の原材料のことなのかを見分けるのがコツです。原材料名欄に「有機○○」と書かれた原材料がどれで、どの位置に並んでいるかを確かめると、オーガニックの原材料がフードの中でどれくらいの比重を占めているかの見当がつきます。表の言葉より、裏の原材料名のほうが多くを語ってくれます。

📊 表示の違いを比較(犬ごはんノート調べ:ペットフード公正取引協議会の公開資料より作成)
項目 ナチュラル 無添加・不使用 総合栄養食
何についての表示か 化学的合成物・着色料の使い方 併記された特定の原材料・添加物を使っていないこと そのフードと水だけで必要な栄養がまかなえるか(目的分類)
表示の前提・条件 原則は合成物・着色料不使用。総合栄養食等は例外条件あり 無添加である原材料名等を明確に併記 分析試験または給与試験で基準を満たすことを証明
合成ビタミン等 例外時はビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類のみ可(4分の1以上の文字で併記) 併記対象でなければ使用の可能性あり 栄養バランスのために使われることが一般的
分からないこと 主食になるか、穀物の有無、原材料の産地 併記対象以外の添加物の有無 合成物・着色料を使っているかどうか

ナチュラル表示でも見落としやすい落とし穴はどこ?

「ナチュラルなら主食になる」と思い込む失敗

いちばん多い失敗は、ナチュラル表示を見て「これなら毎日の主食にしても安心」と判断し、目的分類を確認しないまま与え続けてしまうことです。原因は、ナチュラル表示と総合栄養食表示を同じ種類の「品質マーク」のように捉えてしまうことにあります。

総合栄養食は、毎日の主要な食事として給与することを目的とし、そのフードと水だけで指定された成長段階の健康を維持できるよう、栄養的にバランスのとれたものと定義されています。一方で一般食や副食は、一日に必要な栄養を満たすために別途栄養補給が必要な旨、または同時に与える必要があるフードや食材の名称を併記することになっています。ナチュラル表示は、このどちらにも付きうるんです。

対策はシンプルで、「ナチュラル」の文字を見つけたら、必ず目的分類の表示を探すこと。「総合栄養食」とあり、さらに対応する成長段階(子犬用・成犬用など)が愛犬に合っていれば主食の候補になります。「一般食」とあれば、トッピングや副食として使うものだと考えましょう。

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大きな文字だけ見て併記を読まない失敗

次に多いのが、表面の「ナチュラル」の大きな文字だけを見て、近くの併記を読み飛ばしてしまうことです。前の章で紹介したように、例外ルールでナチュラルと表示するフードは、合成物を使っている旨を「ナチュラル」の文字の4分の1以上の大きさで併記しています。これを読まないと、「合成物はいっさい使っていない」と誤解したままになります。

誤解のまま原材料名欄を見ると、ビタミン類の名前がずらりと並んでいて「ナチュラルなのに?」と不信感を持ってしまう、ということも起こります。実際にはルールどおりの表示なのに、読み手側の思い込みで評価を下げてしまうわけです。逆に、併記がないのに合成物らしき記載が多い場合は、原材料名の内容を落ち着いて確かめるきっかけになります。

コツは、パッケージを手に取ったら「大きな言葉→その周りの小さな文字→裏の原材料名」の順に目を動かすこと。併記は、小さな袋でも6ポイント、500グラムを超える袋なら8ポイントを下回らない大きさで書かれることになっているので、落ち着いて探せば見つけられるはずです。

おやつの「ナチュラル」を主食と同じ目線で見る失敗

おやつ(間食)にもナチュラル表示が付いていることがあります。ここで気をつけたいのが、例外ルールの対象になるのは「総合栄養食基準を満たす旨を表示する間食」に限られる、という点です。普通のおやつは例外の対象外なので、ナチュラルと書くなら原則どおり合成物・着色料を使っていないことが条件になります。

この違いを知らないと、「主食のナチュラルは合成ビタミン入りだったから、おやつも同じだろう」と混同してしまいがちです。同じナチュラルという言葉でも、主食とおやつでは当てはまるルールが違うことがあるんです。

もう1つ大事なのが、おやつは主食の代わりにならないということ。間食には給与限度量を表示することになっていて、総合栄養食基準を満たす間食なら「給与量の目安」でもよいとされています。ナチュラルだからとたくさん与えるのではなく、袋に書かれた給与限度量や目安を上限として考え、主食の量とのバランスで調整しましょう。

⚠️ やりがちな失敗①:ナチュラル=主食OKと思い込む

原因は、ナチュラル表示と総合栄養食表示を同じ「品質マーク」として見てしまうこと。ナチュラルは合成物・着色料の使い方の表示で、主食に使えるかどうかは示していません。対策は、ナチュラルの文字を見たら必ず「総合栄養食」「一般食」などの目的分類と、対応する成長段階を確認すること。一般食なら、同時に与える必要があるフードや食材の併記に従いましょう。

袋の裏で確かめたい表示はどこ?原材料・成分・義務表示の読み方

まず探すのは法律で義務づけられた5項目

ナチュラルかどうかを判断する前に、袋の裏でまず確かめたいのが法律で義務づけられた表示です。農林水産省のペットフード安全法に関するQ&Aでは、問題発生時に製品や原因を速やかに特定し、ペットの健康被害を未然に防止するため、名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名及び住所の5項目の表示を義務付けていると説明しています。

この5項目は、万が一フードに問題が起きたときに、どの製品の、どのロットで、誰が責任を持っているのかをたどるための情報です。ナチュラルかどうかといった「売り文句」とは性格が違い、すべてのフードに共通する土台の情報といえます。

やりがちなのは、表面の宣伝文句にばかり目がいき、原産国名や事業者名を見ていないこと。とくに事業者名と住所は、問い合わせ先を知るうえで役立ちます。「ナチュラル」の意味や原材料の由来をもっと詳しく知りたいときは、ここに書かれた事業者に問い合わせるのが一番確実です。表示の読み方に迷ったら、この5項目を起点にしましょう。

原材料は重量の多い順、分類ごとの表記もある

原材料名の欄は、ナチュラル表示の中身を確かめる中心的な場所です。協議会のページでは、「原材料名」または「原材料」の文字を記載した上で、原則として使用した原材料全てを記載することとされています。添加物以外の原材料は、重量の割合の多い順に並んでいます。

つまり、先頭に近いほど多く使われている原材料です。動物性たんぱく質を主にしたフードを探しているなら、先頭付近に肉類や魚類が来ているかを見る、という読み方ができます。ナチュラル表示だけでは主原料が何かは分からないので、この並び順が手がかりになります。

ただし注意点もあります。ペットフード安全法及び公正競争規約では、原材料は肉類や穀類などの分類ごとにまとめて書く方法も認められています。分類でまとめて書かれている場合、その中の個別の原材料の割合までは分かりません。「肉類(○○、△△)」のような表記を見たら、分類全体として重量の多い順に並んでいる、と理解しておくと読み違えが減ります。

用途名が併記された添加物に注目する

原材料名の後半には添加物が並びます。ここで見分けたいのが、甘味料・着色料・保存料など、用途名が併記される添加物です。たとえば「着色料(カラメル色素)」「着色料(食用赤色3号)」「保存料(ソルビン酸)」のように書かれます。

ナチュラル表示との関係でいうと、着色料の記載があれば原則のナチュラル条件には当てはまらないことになります。例外ルールでも認められているのはビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類の合成物だけなので、着色料や合成の保存料らしき記載が並んでいたら、表示と中身が一致しているか落ち着いて確かめる価値があります。

とはいえ、添加物の名前だけで良し悪しを決めつけるのは早計です。ビタミンEのように、栄養素でありながら酸化防止の目的で使われるものもあります。見るべきは「どんな用途で入っているか」。用途名の書かれ方を手がかりにしつつ、わからない名前があれば事業者に問い合わせる、というのが確実な方法です。

保証成分の「以上」「以下」の意味を知る

原材料名と並んで確認したいのが成分の表示です。協議会のページでは、たんぱく質・脂質は「以上」をつけて、粗繊維・灰分・水分は「以下」をつけて表示するとしています。単位は重量百分比(%)です。

なぜ「以上」と「以下」が使い分けられているのか。たんぱく質や脂質は犬にとって必要な栄養で、少なすぎると困るので「少なくともこれだけは入っている」という下限を示します。一方、粗繊維・灰分・水分は多すぎると困る側面があるので「これを超えない」という上限を示すわけです。つまり成分表示の数字は、その値ぴったりではなく保証の幅だと読むのが正確です。

やりがちなのは、ドライとウェットの成分値をそのまま比べてしまうこと。水分量が違うと、同じたんぱく質でも%の見え方が大きく変わります。比べるなら同じタイプのフード同士で、というのが基本。ナチュラルかどうかと成分値の高低は関係がないので、成分表示は「愛犬に合った栄養の方向性か」を見るために使いましょう。

🍚 ナチュラル表示のフードを袋で確かめる手順
Step1:表面の「ナチュラル」の近くに、合成物(ビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類のみ)使用の併記があるか探す
↓
Step2:「総合栄養食」「一般食」などの目的分類と、対応する成長段階を確認する
↓
Step3:原材料名の先頭(重量の多い原材料)と、後半の添加物の用途名を読む
↓
Step4:保証成分・賞味期限・保管方法を確認し、不明点は記載の事業者に問い合わせる

添加物はどこまで気にすればいい?法律の上限値と規約の関係

ペットフード安全法には「使える添加物のリスト」がない

ナチュラル表示を気にする方の多くは、添加物が心配なのだと思います。ここで知っておきたいのが、法律と規約の役割分担です。協議会の添加物についてのページでは、ペットフード安全法では基準・規格が設定されている添加物はあるものの、使用できる添加物のリストはなく、「飼料添加物」「食品添加物」「AAFCOの指定する添加物」「FEDIAFの指定する添加物」などを参考に、犬猫に安全である添加物を事業者の責任において使用することとなっている、と説明されています。

ちなみに、ペットフード安全法でいう添加物とは、ペットフードの製造の過程において、または加工・保存の目的で、添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物のことです。

つまり、法律は「これだけ使ってよい」という許可リスト方式ではなく、一部に上限を設けたうえで、事業者に安全性の判断を求める仕組みです。ナチュラル表示は、その上に乗る「表示の約束」だと考えると整理しやすくなります。法律が守るべき最低線を、規約が表示の正しさを担っている、という関係です。

合成の酸化防止剤は合計150μg/g、エトキシキンは犬用75μg/g

基準が設けられている添加物の代表が、合成の酸化防止剤です。協議会のページに掲載されている基準では、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)は合計量で150μg/g、そのうちエトキシキンは犬用で75μg/gという上限が示されています。

ここで、ナチュラル表示の例外条件を思い出してください。例外でナチュラルと表示するには、油脂の酸化防止にエトキシキン、BHA、BHT等の合成の酸化防止剤を使っていないことが求められていました。つまり法律上は上限内なら使えるものを、ナチュラル表示ではさらに一歩踏み込んで「使っていない」ことを条件にしているわけです。

逆にいえば、ナチュラル表示のないフードに合成の酸化防止剤が入っていても、それだけで法律違反ということにはなりません。上限を超えないよう管理されていることが前提です。心配しすぎて選択肢を狭めるより、「法律の上限がある」「ナチュラル表示はさらに不使用を条件にしている」という2段階の構造を知っておくほうが、落ち着いて選べます。

亜硝酸ナトリウムや抗生物質にもルールがある

酸化防止剤以外にも、基準のある添加物があります。亜硝酸ナトリウムは上限100μg/gとされています。また、飼料添加物として使用される抗生物質や抗菌剤は、ペットフードには使用できないことになっています。

亜硝酸ナトリウムは、肉の色を保つ目的などで使われることがある添加物です。上限が決められているのは、使える場面があるからこそ、量の上限で管理しているということです。一方の抗生物質・抗菌剤は、家畜の飼料では使われる場面があっても、ペットフードでは使えないとはっきり線が引かれています。

また、プロピレングリコールは猫用には用いてはならないとされていますが、これは猫用フードについての基準で、犬用の基準ではありません。犬と猫がいる家庭では、犬用と猫用のフードやおやつを取り違えないよう、保管場所を分けておくのが安心です。ルールの対象がどちらの動物向けなのかまで読むと、情報の受け取り違いが減ります。

📋 プロフィールカード:合成の酸化防止剤とナチュラル表示
分類・主な名称 添加物(酸化防止剤)。エトキシキン、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
法律上の上限 3種の合計150μg/g。エトキシキン(犬用)は75μg/g
ナチュラル表示との関係 総合栄養食等が例外でナチュラルと表示するには、油脂の酸化防止にこれらの合成酸化防止剤を使っていないことが条件
飼い主の見方 原材料名の後半で名称を確認。使用していても上限内なら法律違反ではない

ナチュラルフードを選ぶ・切り替える・保存するときのコツは?

愛犬と暮らし方に合わせた選び分け

ナチュラル表示の意味が分かったら、次は「うちの子にはどう選ぶか」です。結論からいうと、まず目的分類と成長段階で候補を絞り、そのうえでナチュラル表示や原材料の好みで選ぶ、という順番がおすすめです。

たとえば、毎日の主食を探している飼い主さんなら、総合栄養食で、対応する成長段階が愛犬に合っているものが第一条件です。子犬なら成長期に対応したもの、成犬なら成犬期に対応したものを選びます。そのうえで、着色料を避けたい、合成の酸化防止剤を避けたいという希望があれば、ナチュラル表示が判断材料になります。

トッピングやおやつで楽しみを足したい飼い主さんなら、一般食や間食の中から選ぶことになります。ここでもナチュラル表示は着色料・合成物の使い方の目安になりますが、主食との栄養のバランスを崩さない量に留めるのが前提です。多頭飼いで猫もいる家庭なら、犬用と猫用で基準が違う添加物もあるので、表示の対象動物を必ず確認しましょう。体質や持病がある子は、選ぶ前に獣医師に相談しておくと、見るべき表示が明確になります。

切り替えは少しずつ、様子を見ながら

ナチュラル表示のフードに切り替えたいと思ったとき、一度に全部を新しいフードに替えるのは避けたいところです。犬の消化は、慣れた食事の原材料や脂質の量に合わせて働いているので、急に中身が変わるとお腹がついていけないことがあります。

ナチュラル表示かどうかは合成物や着色料の話で、原材料や成分の構成は製品ごとにまったく違います。「ナチュラルだから体にやさしいはず」と一気に切り替えると、原材料の違いでお腹をこわしてしまう、ということも起こりえます。表示の言葉と消化のしやすさは、別の話なんです。

切り替えるときは、今のフードに新しいフードを少し混ぜ、様子を見ながら割合を増やしていくのが基本です。何日かけるかの目安は、製品パッケージや事業者の案内を確認しましょう。切り替え中に食欲や便の様子がいつもと違うときは、無理に進めず獣医師に相談してください。

賞味期限は「未開封」が前提の期限

ここで2つ目の失敗パターンです。袋に書かれた賞味期限を「開けたあともこの日まで大丈夫」と受け取ってしまうこと。協議会の賞味期限についてのページでは、賞味期限を、常温・未開封など定められた方法で保管した場合に、すべての品質を保つと認められる期間と説明しています。

つまり賞味期限は、袋を開けていない状態が前提の期限です。開封すると空気や湿気に触れて、油脂の酸化や湿気による劣化が進みます。とくにナチュラル表示のフードは、例外条件として合成の酸化防止剤を使っていないことになっているので、「表示を見て安心して、開封後の管理がゆるくなる」というのは避けたいところです。

ちなみに、賞味期限の記載は年、月までが必須で、日は任意とされています。「2026年○月」のように月までの表示でも規約上は問題ありません。開封後にどれくらいで使い切るのがよいかは、製品パッケージや事業者の案内を確認し、愛犬が食べきれる大きさの袋を選ぶのが現実的な対策です。

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袋の「保管方法」を読んでから保存場所を決める

保存のコツは、自己流の工夫より先に、袋に書かれた保管方法を読むことです。フードには、賞味期限まで品質を保持できる保管条件が表示されています(缶詰・レトルトは省略可とされています)。この保管方法を守ることが、賞味期限の前提になっているんです。

理屈はこうです。賞味期限は「定められた方法で保管した場合」の期間なので、書かれた方法から外れた場所に置くと、その期限の根拠そのものが崩れてしまいます。たとえば直射日光の当たる窓辺やコンロの近くなど、温度が上がりやすい場所は、油脂の酸化を早める原因になります。

やりがちなのは、見た目のよい容器に移し替えて、元の袋を捨ててしまうこと。そうすると賞味期限も保管方法も原材料名も手元からなくなり、何かあったときに確認できません。容器を使うなら袋ごと入れる、または表示部分を切り取って保管しておくのがおすすめです。

Q ナチュラル表示のフードは、ナチュラル表示のないフードより安全なの?
A ナチュラル表示は合成物・着色料の使い方についての表示条件で、安全性の優劣を示す基準ではありません。どのフードもペットフード安全法の基準(添加物の上限など)を守る前提で作られています。着色料や合成の酸化防止剤を避けたいという希望がある場合の判断材料として使いましょう。
Q 療法食にもナチュラル表示が付いていることがある?
A 療法食も例外ルールの対象なので、条件を満たせばナチュラルと表示できます。ただし療法食は、獣医師の指導のもとで与えるものです。表示の言葉で選ぶものではないので、必ずかかりつけの獣医師の指示に従ってください。
⚠️ やりがちな失敗②:賞味期限を「開封後の期限」と思い込む

原因は、賞味期限が「常温・未開封など定められた方法で保管した場合」の期間だと知らないこと。開封後は空気や湿気で劣化が進みます。対策は、袋の保管方法を守り、開封後の使い切りの目安は製品の案内で確認すること。容器に移すなら袋ごと入れ、賞味期限と原材料名の表示を手元に残しておきましょう。

ドッグフードナチュラル表示の読み方まとめ

🐶 この記事の結論

ナチュラルは合成物・着色料の使い方を定めた表示で、品質のランクではありません。袋では併記と目的分類をセットで確認しましょう。

✅ 要点チェック
  • ✔ 原則:化学的合成物と着色料を使っていない
  • ✔ 例外:総合栄養食等はビタミン類等のみ合成可
  • ✔ 併記:ナチュラルの文字の4分の1以上で表示
  • ✔ 主食の判断:総合栄養食の表示で確かめる
  • ✔ 保存:賞味期限は未開封が前提の期限

ドッグフードの「ナチュラル」は、ペットフード公正取引協議会の公正競争規約で使い方が決められた表示です。原則は化学的合成物と着色料を使っていないものに限られ、総合栄養食・療法食・総合栄養食基準を満たす旨を表示する間食に限って、栄養に欠かせないビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類の合成物を使っていても、その旨の併記と合成酸化防止剤の不使用を条件に表示が認められています。「合成ビタミン入りなのにナチュラル」は、ルールどおりの姿なんです。

一方で、ナチュラル表示は主食に使えるかどうかも、穀物の有無も、原材料の産地も教えてくれません。無添加は「何が無添加か」の併記が前提、グレインフリーやオーガニックは別の軸の話です。添加物については、ペットフード安全法が合成の酸化防止剤に合計150μg/gなどの上限を設けていて、ナチュラル表示はさらに一歩踏み込んだ「表示の約束」という位置づけになります。

最初の一歩として、今お使いのフードの袋を手に取り、表面の言葉の近くにある小さな併記、目的分類と成長段階、原材料名の先頭と後半、そして保管方法の4か所を順に読んでみてください。それだけで、「ナチュラル」の文字がそのフードで何を意味しているのか、自分の目で判断できるようになります。

※表示のルールや製品の仕様は変わることがあります。最新情報はペットフード公正取引協議会や各メーカーの公式サイトでご確認ください。

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犬ごはんノート編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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